2023年のトピック
ヒト全ゲノム解析の公共データの再解析データセット
2023.06.05
公的データベースにオープンアクセスで公開されているヒトの全ゲノム解析データを再解析したデータを遺伝研スパコン上で共有します。
これらのデータは文部科学省新学術領域研究「 ゲノム配列を核としたヤポネシア人の起源と成立の解明」(ヤポネシアゲノム)の中で解析するために公的データベースからダウンロードし、遺伝研スパコンの中で再解析したものです。研究班終了後(2023 年 4 月〜)も広く研究に使える様にするために遺伝研スパコンの利用者向けに共有データとして保管することになりました。
データはいずれも SRA に登録されたオープンアクセスとなっています。サンプルの背景や利用の条件はオリジナルの論文を参照し利用者の責任で利用してください。
GRCh38 にマッピングした CRAM 形式のファイルと GATK4 または Parabricks の HaplotypeCaller アルゴリズムで解析した gVCF 形式のファイルを共有しています。
同等の解析内容が得られるパイプラインは下記から入手できます。
https://github.com/NCGM-genome/WGSpipeline
また、遺伝研スパコンからは以下の方法でデータセットを入手可能です。
- 一般解析区画の全計算ノードについて、
/usr/local/shared_data/public-human-genomes/GRCh38/
の下にデータセットがマウントされているので遺伝研スパコン中の解析プログラムから直接アクセスして利用することが可能です。- 個人ゲノム解析区画については、現在準備中です。
- HTTPS: https://ddbj.nig.ac.jp/public/public-human-genomes/GRCh38/
- FTP: ftp.ddbj.nig.ac.jp/public-human-genomes/GRCh38
データセット | データソース | 参考 URL |
International 1000Genomes Project (100Genomes) | https://www.ebi.ac.uk/ena/browser/view/PRJEB31736 | https://doi.org/10.1016/j.cell.2022.08.004 |
Human Genome Diversity Project (HGDP) | https://www.ebi.ac.uk/ena/browser/view/PRJEB6463 | https://doi.org/10.1126/science.aay5012 |
Simons Genome Diversity Project (SGDP) | https://www.ebi.ac.uk/ena/browser/view/PRJEB9586 | https://doi.org/10.1038/nature18964 |
Korean Personal Genomics Project (KPGP) | https://www.ebi.ac.uk/ena/browser/view/PRJNA284338 | https://doi.org/10.1038/s41598-018-23837-x |
Archaea tools(旧 HCPtools)
2023.01.10
2022 年 10 月、HCPtools ソフトウェア提供元が、データ転送系のブランド名称として、「Bytix(バイティックス)」というブランド名を立ち上げ、製品名称が「HCPtools」から「Archaea tools」へ変更になりました。
変更についての詳細は、🔗Bytix 公式ページ「製品名称変更等について」のページをご参照ください。
製品名称変更後も、これまで通り HCPtools で使用していたコマンドと同じコマンドをそのままお使いいただけます。
また、Windows, Linux に加え macOS からも利用可能となりました。(🔗Bytix 公式ページ「対応プラットフォーム」をご参照ください)。
Archaea tools(旧 HCPtools) の使い方は、🔗Bytix 公式ページ「ドキュメント」のページをご参照ください。
遺伝研スパコンに対してファイルのアップロード、ダウンロードを行うには、一般的に広く用いられているファイル転送ソフトウェアである`scp`や`sftp`をつかうことができますが、`scp`などでは遠距離間で大量のファイルを転送する際に転送速度が遅くなる性質があります。 遠距離の高速通信のために、遺伝研スパコンでは、一般解析区画では Aspera、個人ゲノム解析区画では Archaea tools(旧 HCPtools)というファイル転送ソフトウェアが利用可能となっています。 |